乳がんに対する個別化免疫療法に進展
Breast Cancers Are Immunogenic: Immunologic Analyses and a Phase II Pilot Clinical Trial Using Mutation-Reactive Autologous Lymphocytes
背景
ホルモン受容体陽性の乳がんでは一般に免疫反応を誘発しにくく、免疫療法の効果に乏しいと考えられている。
米National Cancer InstituteのZacharakisらは、既存の治療に抵抗性となった転移性乳がん患者において、転移巣の切除、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分離、非同義変異の同定、ネオアンチゲン反応性の免疫学的スクリーニングを行い、適格な患者に対して、ペムブロリズマブの短期コースに加えて、ネオアンチゲン反応性TIL養子細胞移植を実施した。
結論
42名の転移性乳がん患者のうち、28名が免疫原性体細胞変異を認識するTILを有しており、13名が養子細胞移植への堅固な反応性を示した。臨床的に治療可能な状態にあった8名のうち、6名がペムブロリズマブ併用TIL養子細胞移植を受け、1名が完全奏効(5年半継続)、2名が部分奏効であった(6ヵ月、10ヵ月)。
評価
患者の過半数でがん変異産物に対する自然免疫反応が生じており、反応性TILを増幅する免疫細胞治療を受けた6名のうち3名で腫瘍の縮小が認められた。併用されたペムブロリズマブだけでは説明することが難しい結果で、この高度個別化アプローチへの期待はますます高まる。


