急性腰痛患者への筋弛緩薬は効果がない
The Relative Efficacy of Seven Skeletal Muscle Relaxants. An Analysis of Data From Randomized Studies
背景
急性腰痛患者に対して筋弛緩薬が処方される場合があるが、その有効性には明確なエビデンスが欠けている。
Albert Einstein College of MedicineのAbrilらは、救急外来を受診した非関節性の急性腰痛症患者を対象とするランダム化試験4件の事前計画解析を行い、バクロフェン・metaxalone・チザニジン・ジアゼパム・orphenadrine・メトカルバモール・cyclobenzaprine・プラセボと症状改善の関連を評価した。
結論
すべての患者は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与を受けていた。1週間後の時点でのRoland-Morris Disability Questionnaireの改善は、プラセボ群の10.5に対して、バクロフェン群10.6、metaxalone群10.3、チザニジン群11.5、ジアゼパム群11.1、orphenadrine群9.5、メトカルバモール群8.1、cyclobenzaprine群10.1であった。薬物副作用は、シクロベンザプリン群でプラセボより多く発生した。
評価
NSAIDs・アセトアミノフェンと比べて、筋弛緩薬の効果は明確でない。本研究は、NSAIDsを受けている患者への投与で、いずれの筋弛緩薬にもプラセボを上回る効果がないことを明らかにした。