夜勤の救急医は鎮痛薬をあまり処方しない:共感性が低下?
Physicians prescribe fewer analgesics during night shifts than day shifts
背景
痛みは主観的な現象であり、その評価にも曖昧さが入り込む余地があるが、医療者の疲労やストレスは疼痛ケアに影響するのか。
イスラエルHebrew University of JerusalemのChoshen-Hillelらは、研修医67名で、夜勤込みのシフト明け、またはそれ以外のタイミングで臨床シナリオを用いた疼痛評価タスクを行い、夜勤明け時の共感性低下を確認し、さらにイスラエル・アメリカの救急外来データセット(2013〜2020年)において、夜勤中の鎮痛薬処方を分析した(n=13,482)。
結論
臨床シナリオを用いた検証では、夜勤明けの医師は患者の疼痛に対する共感性が低かった。また、救急外来での鎮痛薬処方に関しては、日中と比較して夜間シフトで鎮痛薬処方の確率が低かった(50% vs. 39%;オッズ比0.65)。
評価
疼痛ケアにはおそらく患者への共感が媒介しており、夜勤時の疲労やストレスにより共感性が損なわれることで、鎮痛薬処方に影響したと考えられた。医療者の労働環境の見直しに加えて、より構造化された疼痛ケアの確立も必要とされるだろう。


