トリプルネガティブ乳がんへのペムブロリズマブ追加、OS延長も示す:KEYNOTE-355試験
Pembrolizumab plus Chemotherapy in Advanced Triple-Negative Breast Cancer
背景
KEYNOTE-355試験は、29ヵ国209施設の局所再発切除不能または遠隔転移を有するトリプルネガティブ(TN)乳がん患者を、ペムブロリズマブ+化学療法またはプラセボ+化学療法に2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験であり(n=847)、PD-L1 CPSが10以上の患者における無増悪生存期間の延長を示している。
スペインInternational Breast Cancer CenterのCortesらは、同試験における全生存期間の最終解析結果を報告した。
結論
フォローアップ期間44.1ヵ月(中央値)で、CPSが10以上のサブグループの全生存期間は、ペムブロリズマブ群で中央値23.0ヵ月、プラセボ群で16.1ヵ月と、ペムブロリズマブにより有意に延長した(ハザード比0.73)。一方で、CPSが1以上のサブグループでは各群17.6ヵ月、16.0ヵ月と有意な差はなかった。試験治療に関連するグレード3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ群の68.1%、プラセボ群の66.9%で発生し、死亡はそれぞれ0.4%、0%であった。
評価
ペムブロリズマブはTN乳がん治療にブレイクスルーをもたらしつつあり、このKEYNOTE-355試験では、PFSに続いてOSも7ヵ月近く延長した(PD-L1 CPSが10以上)。


