肛門前がん病変(HSIL)の治療は肛門がんを予防する:ANCHOR試験
Treatment of Anal High-Grade Squamous Intraepithelial Lesions to Prevent Anal Cancer
背景
肛門がんでは、子宮頸がんと同様に高度扁平上皮内病変(HSIL)が先行するが、子宮頸部HSILの治療が子宮頸がんを予防するのと同様に、肛門HSILの治療も肛門がんを予防するのか?
University of California, San FranciscoのPalefskyらは、35歳以上でHIV陽性の肛門HSIL患者を、HSIL治療(焼灼・切除・局所フルオロウラシル/イミキモド等)、または積極的監視へと割り付ける第3相ランダム化比較試験ANCHORを実施した(n=4,459)。
結論
フォローアップ期間25.8ヵ月(中央値)で、治療群の9例、積極的監視群の21例で、肛門がんへの進行がみられた。治療群では肛門がんへの進行が57%少なかった。
評価
肛門HSILの管理に関する初のRCTであり、HSIL治療が肛門がんへの進行を大きく抑制しうることを示した。この集団における標準治療となるだろう。