たこつぼ心筋症:男性はより若く合併症が多く死亡リスクが高い
Gender Differences in Takotsubo Syndrome
背景
たこつぼ症候群(TTS)の男性型は発生率が低く、解明は不十分である。
イタリアUniversity of FoggiaのSantoroらは、国際多施設共同研究GEIST(GErman Italian Spanish Takotsubo)レジストリー登録TTS患者2,492名のデータに基づき、TTS男女患者間の比較分析を行った。
結論
TTS患者の11% が男性であった。男性患者はより若く(69歳 vs 71歳)、合併症(糖尿病25% vs 19%;肺疾患21% vs 15%;悪性腫瘍25% vs 13%)・フィジカルトリガー(55% vs 32%)がより多かった。男性患者は心原性ショック・院内死亡率が高かった(各16% vs. 6%、8% vs. 3%)。長期死亡率は、1患者年あたり男性10%、女性3.8%であった。全集団では、男性性は院内死亡(OR:2.26)・長期死亡(HR:1.83)の高リスクと関連した。
評価
女性に多いが、予後は初期に 考えられていたほど良くなく、特に男性は問題である、という形成されつつある見方を支持する大規模データである。
JACCEditorialは、微小血管障害と交感神経高緊張性という2要因で説明するパラダイムを提示し、予後の性差も各要因の性差に関連するのではないか、としている。