肥満患者減量に週1度のtirzepatide:SURMOUNT-1
Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2022
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開始ページ
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背景

Tirzepatide(デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬)は抗肥満薬として使えるか。
Yale University のJastreboffら(SURMOUNT-1)は、BMI30以上もしくは27以上で糖尿病以外の肥満関連合併症を有する患者2,539名を対象として、これを検証する第3相DBRCTを行った。患者を72週間、週1度のtirzepatide 5mg・10mg・15mg・プラセボに割付けた。複合一次エンドポイントは、ベースラインからの体重変化率と体重5%以上の減量を達成した患者の割合である。

結論

Tirzepatideの一次エンドポイント効果を認めた。各群のベースラインからの体重変化率は、5mg −15.0%・10mg −19.5%・15mg −20.9%・プラセボ −3.1%、体重5%以上の減量達成患者率は、5mg 85%・10mg 89%・15mg 91%・プラセボ 35%であった。体重20%以上の減量達成患者率でも実薬全用量が上回った。重大有害事象はなかったが、最高用量で6.2%が試験を離脱した。

評価

T2Dへの効果を確認したSURPASS-1・2・3試験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34186022/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34170647/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34370970/)に続く、tirzepatideの減量効果の第一報告である。今のところ、セマグルチド・肥満外科手術と同等ともみられる。

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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)