遺伝性大動脈疾患レジストリGenTACが10年データを公表
Cardiovascular Outcomes in Aortopathy: GenTAC Registry of Genetically Triggered Aortic Aneurysms and Related Conditions
背景
GenTAC(Genetically Triggered Thoracic Aortic Aneurysm and Cardiovascular Conditions)は、2007年に開始されたNHLBI 後援の遺伝性大動脈疾患患者レジストリである。
Oregon Health and Science UniversityのHolmesらは、大動脈疾患病因別の年齢分布・手術選択・心血管原因死亡解析結果を報告している。参加患者は、動脈瘤を伴う二尖弁(BAV)(n=879)・Marfan症候群(MFS)(n=861)・非シンドローム性遺伝性胸部大動脈疾患(nsHTAD)(n=378)・Turner症候群(TS)(n=298)・血管性Ehlers-Danlos症候群(vEDS)(n=149)・Loeys-Dietz症候群(LDS)(n=121)であった。
結論
選択的近位大動脈瘤手術実施25%確率期間は、LDS30年・MFS34年・nsHTAD52年・BAV55年であった。全解離手術実施25%確率期間は、LDS38年・MFS51年・nsHTAD54年であった。BAVは、MFS・LDS・nsHTADに比し、全解離手術に対する選択的手術の相対頻度が最も高かった(7.7)。MFSを参照集団とした場合、全解離手術・心血管原因死亡のリスクは、BAV患者で最も低かった(HR:各0.13・0.13)。死亡リスクが最も高かったのは、vEDS患者であった。
評価
このテーマに関する最大・最詳細分析である。著者は、結果はMarfan・LDSに関しては現行常識に一致し、BAVの非致命性は注目に値し、nsHTADは未だ早期診断ができにくい、と総括している。


