院外心停止サバイバーの10年生存率は64%:メタ解析
Long-term Survival After Out-of-Hospital Cardiac Arrest: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
「救命の鎖」の普及・浸透に伴って院外心停止(OHCA)の予後は改善傾向にあると考えられているが、蘇生後の長期結果は。スイスUniversity Hospital BaselのAmacherらは、OHCAの初回入院を生き延びた成人患者における長期生存率を調査するため、システマティックレビューとメタアナリシスを実施した。
結論
21件(11,800名)がKaplan-Meierベースのメタアナリシス、33件(16,933名)が要約統計量データaggregate dataのメタアナリシスに含まれた。Kaplan-Meierベース解析では、生存退院患者の生存期間は中央値5.0年であった。3年推定生存率は82.8%、5年推定生存率は77.0%、10年推定生存率は63.9%、15年推定生存率は57.5%であった。初期リズムがショック非適応な患者と比して、ショック適応リズムの患者は長期死亡リスクが低かった(ハザード比0.30)。これらの結果はaggregate data解析などでも確認された。
評価
観察研究のメタアナリシスにより、OHCAの1年を超える予後についての信頼性の高いデータをもたらした。生存率は一般集団よりも低く、改善の余地がある。