後期高齢者にアグレッシブな降圧治療を始めるのは無益
Time to Clinical Benefit of Intensive Blood Pressure Lowering in Patients 60 Years and Older With Hypertension: A Secondary Analysis of Randomized Clinical Trials

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
May 2022
182
開始ページ
660

背景

高齢高血圧患者に対する積極的降圧治療における、臨床ベネフィット発現までの時間(Time to Clinical Benefit :TCB)は。
中国Xi’an Jiaotong University Health Science CenterのLiらは、60歳以上の高血圧患者27,414名が参加した6件のRCTの二次解析を行った。全試験共通の心筋梗塞・脳卒中・心血管因死をMACE(一次アウトカム)とした。

結論

SBP<140を目標とするアグレッシブな降圧治療はMACEリスクを21%低減したが、1 件の MACE 予防に関するTCBは、患者 500名では9.1ヵ月、200人では19.1ヵ月、100名では34.4ヵ月と見積もられた。

評価

降圧療法に関するこの型の分析は初めてである。特に後期高齢者に対し、アグレッシブに降圧治療をすることの無益性を示すエビデンスとなった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)