Lp[a]上昇はAFリスク
Elevated Lipoprotein(a) and Risk of Atrial Fibrillation: An Observational and Mendelian Randomization Study
背景
リポ蛋白[a](Lp[a])は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の危険因子だが、それ自体で心房細動(AF)のリスクを高めるかどうかは不明である。
カナダMcMaster UniversityのPareらは、UK Biobank(n=435,579)・公開GWAS(n=1,145,375)・AF患者(n=20,432)データの解析により、この問題を検討した。
結論
UK Biobankデータにおいて、Lp[a]の50nmol/L(23mg/dL)増加とAF発症リスクの増加の関連を認めた(実測Lp[a]でHR:1.03、遺伝学的予測Lp[a]でOR:1.03)。独立データのメンデルランダム化解析でも、この効果は再現された(Lp[a]50 nmol/L増加あたりのOR:1.04)。このような関連はLDL-C・TGではみられず、またLp[a]リスク中ASCVDを介する部分の寄与は39%のみとみられた。
評価
Lp[a]上昇が独立したAFリスク因子である、とした初めての結果である。Lp[a]の効果はextend across myocardial tissuesとしているが、機構は明らかでない。追試を必要とする仮説生成研究とみなされる。