早期乳がんへの術後カペシタビン追加、長期的には有効:FinXX試験15年結果
Adjuvant Capecitabine for Early Breast Cancer: 15-Year Overall Survival Results From a Randomized Trial
背景
FinXX試験は、早期乳がん患者(n=1,500)に対する術後補助化学療法として、ドセタキセルとその後のシクロホスファミド・エピルビシン・5-FUによる順次化学療法(T-CEF)と、ドセタキセル・カペシタビン併用と、その後のシクロホスファミド・エピルビシン・カペシタビンによる順次治療(TX-CEX)を比較する第3相ランダム化比較試験であり、フォローアップ期間10年結果報告においては、無病生存期間・全生存期間ともTX-CEX群の有意な改善を認めなかった。フィンランドUniversity of HelsinkiのJoensuuらは、同試験における15年結果を報告した。
結論
生存患者のフォローアップ期間は、TX-CEX群で中央値15.3年、T-CEF群で15.4年であった。TX-CEX群の生存期間はT-CEF群を上回った(ハザード比0.81)。15年生存率はTX-CEX群で77.6%、T-CEF群で73.3%であった。探索的サブグループ解析では、ER陰性患者・トリプルネガティブ患者でTX-CEXによる生存延長の傾向が認められた。
評価
これまでのフォローアップでは、有意なOS差を示すには至っていなかったが、この15年結果においてOSベネフィットが認められた。一部サブグループでは、ベネフィットが大きい可能性もあり、選択肢の一つとみなせる。