重症患者でのVTE予防:系統的レビュー・ネットワークメタ解析
VTE Prophylaxis in Critically Ill Adults: A Systematic Review and Network Meta-analysis
背景
重症患者では深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症を含めた静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが高いが、有効かつ安全なVTE予防法は。カナダUniversity of OttawaのFernandoらは、ICU重症患者における血栓予防の有効性を評価したランダム化比較試験を特定し、ネットワークメタアナリシスを実施した。
結論
13件の試験(9,619名)が含まれた。対照治療と比較して、低分子ヘパリン(LMWH)はDVT発症を減少させ(オッズ比0.59、高い確実性)、未分画ヘパリン(UFH)はDVTを減少させる可能性があった(0.82、低い確実性)。LMWHは、UFHと比較してDVTを減少させた(0.72、中程度の確実性)。圧迫デバイスはDVTのリスクを減少させる可能性があるが(オッズ比0.85)、確実性は低かった。また、予防療法の組み合わせは、単独での予防と比してDVTへの効果が明確でなかった。
評価
LMWHおよびUFHの使用がDVTを予防すること、LMWHがUFHを上回る有効性があることを確認した。薬理学的な血栓予防としてはLMWHが第一選択とみなされる。


