心停止蘇生後のショックに対する昇圧剤、アドレナリンは死亡増
Epinephrine versus norepinephrine in cardiac arrest patients with post-resuscitation shock

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
March 2022
48
開始ページ
300

背景

蘇生に成功した心停止ではショック・低血圧が一般的であるが、昇圧剤は何が良いのか。
フランスParis Cardiovascular Research CenterのBougouinらは、2011〜18年に蘇生後ショックの管理を受けた院外心停止の連続患者において、持続的投与された昇圧剤の種類(アドレナリン・ノルアドレナリン)とアウトカムとの関連を検討した(n=766)。

結論

37%でアドレナリンが、63%がノルアドレナリンを受けた。全死亡率はアドレナリン群で有意に高かった(オッズ比2.6)。心血管系院内死亡もアドレナリン群で高く(調整オッズ比5.5)、退院時不良アウトカム(CPCが3-5)も同様であった。傾向スコアマッチング解析での調整オッズ比は2.1であった。

評価

アドレナリンの使用は各アウトカムの悪化と関連した。結論にはランダム化比較試験が必要だが、さらなるデータが現れるまではノルアドレナリンを選択するのが合理的であろう。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)