p16ink4A陰性の中皮腫にアベマシクリブ、半数が病勢コントロール:第2相MiST2試験
Abemaciclib in patients with p16ink4A-deficient mesothelioma (MiST2): a single-arm, open-label, phase 2 trial
背景
悪性中皮腫には現在のところゲノム層別化された治療法は存在しないが、p16ink4A遺伝子が高頻度で欠失することが知られている。イギリスUniversity of LeicesterのFennellらは、1コース以上のプラチナ化学療法後に進行が認められた胸膜・腹膜中皮腫患者でp16ink4Aスクリーニングを実施、p16ink4Aが陰性であった患者にCDK4/CDK6阻害薬アベマシクリブを投与する第2相MiST2試験を実施した(n=27)。
結論
治療前の重篤有害事象で除外された1名を除き、全員がp16ink4A欠損でアベマシクリブによる治療を受けた。12週時点で54%で病勢コントロールが報告された。グレード3以上の治療関連有害事象は27%で発生した。重篤有害事象は23%で発生し、4%(1名)で投与中止に至った。アベマシクリブに関連する重篤有害事象は1名でみられた。1名が有害事象により死亡した。
評価
前治療歴のある患者において有望な臨床活性を示し(MAPS-2試験のニボルマブ+イピリムマブは12週コントロール率50%)、ランダム化比較試験による評価を正当化した。