アメリカの妊娠糖尿病は増加、民族・人種間格差は改善せず
Risk of Adverse Pregnancy Outcomes Among Pregnant Individuals With Gestational Diabetes by Race and Ethnicity in the United States, 2014-2020
背景
アメリカでの妊娠転帰には人種・民族間のリスク差がある。The Ohio State UniversityのVenkateshらは、US National Center for Health Statistics natality dataを用いて、2014年〜2020年間に分娩した15〜44歳の妊娠糖尿病患者1,560,822名を対象として、分娩年と人種・民族の層別化を行い、妊婦の人種・民族と出産転帰・新生児転帰の関連を検討する探索的連続横断状況調査を行った。
結論
2014〜2020年に、妊娠高血圧腎症/妊娠高血圧（4.2%）・輸血（8.0%）・37週以下の早産（0.9%）・NICU入室（1.0%）の有意な増加があった一方、帝王切開（−1.4%）・初回帝王切開（−1.2%）・巨人症（−4.7%）の有意な減少があり、また妊婦ICU入室・SGA児出産に有意な変化は無かった。白人と比較して、黒人は巨大症/LGA児出産以外の、先住民族は帝王切開・SGA児出産以外の、全出産転帰リスクが増加し、ヒスパニック/ラテン系民族/アジア人/ 太平洋諸島系民族は、妊婦ICU入室・早産・NICU入室・SGA児出産リスクが有意に増加した。
評価
妊娠糖尿病自体が増えているとともに、妊娠のリスクアウトカムに関する人種・民族差には改善がみられない、というアメリカのネガティブトレンドを確認した。
