肘・手首・足首のエコーガイド下穿刺で初回成功率が向上
Ultrasound-versus landmark-guided medium-sized joint arthrocentesis: A randomized clinical trial
背景
関節穿刺では従来の解剖学的ランドマークによる方法に加え、超音波ガイドの使用が提案されている。Temple UniversityのGibbonsらは、都市部大学病院を受診し、中型関節(肘・手首・足首)の関節液貯留疑いにより関節穿刺を受ける患者を、ランドマークガイドまたはエコーガイドへと割り付ける単施設ランダム化比較試験を実施した(n=44)。
結論
全成功率はエコーガイド群で94.1%、ランドマークガイド群で60%であった。初回成功率はエコーガイド群82.4%、ランドマークガイド群46.7%であり、平均試行回数はそれぞれ1.35回、2.00回であった。ランドマーク群で穿刺に失敗した14回のうち、8回ではエコーガイド群へのクロスオーバーの結果、貯留がないことが明らかとなった。また、エコーガイド群でも4名で貯留が認められなかった。
評価
エコーを用いることで、穿刺の成功率を向上させられるだけでなく、貯留がない患者で穿刺を回避可能であることも示した。関節液貯留の診療プロセスにおける基本的手技となっていくだろう。