切除可能非小細胞肺がんでの術前化学療法にニボルマブを追加する:CheckMate 816試験
Neoadjuvant Nivolumab plus Chemotherapy in Resectable Lung Cancer
背景
切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)における術前補助化学療法のエビデンスは、術後補助化学療法に比べて十分ではないものの、わずかに生存期間を延長すると考えられている。Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのFordeらは、IB期からIIIA期の切除可能NSCLC患者に対する根治的切除前の術前治療として、ニボルマブ+プラチナ化学療法併用またはプラチナ化学療法単独を割り付ける第3相ランダム化比較試験CheckMate 816を実施した(n=358)。
結論
無イベント生存期間(EFS)の中央値は、ニボルマブ併用群31.6ヵ月、化学療法単独群20.8ヵ月と、併用により有意に延長した(ハザード比0.63)。病理学的完全奏効率(pCR)はそれぞれ24.0%、2.2%であった(オッズ比13.94)。EFSとpCRは、ほとんどのサブグループで併用群の優位であった。死亡ハザード比は、最初の中間解析時点では有意基準を満たさなかった(0.57)。手術は併用群の83.2%、化学療法単独群の75.4%で行われた。グレード3・4の治療関連有害事象は併用群の33.5%、化学療法単独群の36.9%で発生した。
評価
この集団を対象に免疫併用術前治療を検証する初の第3相試験で、ニボルマブ追加の効果を明確に示した。IB期からIIIA期まで効果がみられており、新たな標準治療となるだろう。