睡眠不足は腹部肥満のもと?:パイロットRCT
Effects of Experimental Sleep Restriction on Energy Intake, Energy Expenditure, and Visceral Obesity
背景
睡眠不足と肥満の関連報告が増えているが、RCTエビデンスは。
Mayo Clinic College of MedicineのSomersら(Sleep Restriction and Obesity)は、非肥満健康成人ボランティア12名を対象として、睡眠制限が食欲・身体活動量・体重・体脂肪蓄積に与える影響を検討するクロスオーバーRCTを行った。被験者を4時間睡眠制限群と9時間睡眠可(対照)群に割付け、ウォッシュアウト期間を経て交差を行った。試験中被験者は希望食品を食べ放題とした。
結論
睡眠制限群は対照群とエネルギー消費量に差はなかったが、睡眠制限下ではカロリー・タンパク質・脂肪の摂取増と有意な体重増(P=0.008)がみられた。総体脂肪量に有意差が無い一方、睡眠制限群では腹部脂肪量・腹部皮下脂肪量 ・内蔵脂肪量が有意に増加した。
評価
類似デザインのRCTでは、急性睡眠制限の骨格筋タンパク合成抑制効果・血中コルチゾール値上昇効果を報告している(https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.14814/phy2.14660)。注目テーマに関するパイロット研究であり、次第に全体像が明らかにされよう。