人工甘味料の発癌リスクは:フランス発最大のコホート研究
Artificial sweeteners and cancer risk: Results from the NutriNet-Sante population-based cohort study
背景
人工甘味料の発癌リスクには堅固な研究が少ない。フランスUniversity of ParisのDebrasらは、同国NutriNet-Sante登録成人102,865名の24時間食事記録に基づき、アスパルテーム・アセスルファムK・スクラロース等商品名を含む人工甘味料の摂取量と癌発生の関連を検討する後向コホート研究を行った(追跡期間中央値 7.8年)。
結論
人工甘味料無摂取者と比較して中央値以上の人工甘味料摂取者は、全体的に発癌リスクが高く(HR: 1.13)、特にアスパルテーム(1.15)、アセスルファムK(1.13)で発癌リスク増加が著しかった。癌種では、乳癌( [アスパルテーム] 1.22)・肥満関連癌( [全人工甘味料]1.13・[アスパルテーム] 1.15)において関連が強かった。
評価
人工甘味料の発癌リスクを直接主題とした調査としては最大のものである。2022年の系統レビューは人工甘味料の一般的健康リスクには否定的だが、癌にフォーカスしていない(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35285920/)。著者らは、砂糖とのリスク差を考慮に入れて主体的に選択すべき、としている。