重症COVID-19で抗血小板薬は無益か:REMAP-CAP試験より
Effect of Antiplatelet Therapy on Survival and Organ Support-Free Days in Critically Ill Patients With COVID-19: A Randomized Clinical Trial
背景
COVID-19患者には血栓予防が推奨されているが、重症患者に対する至適な抗血栓戦略は明確化されていない。REMAP-CAP Writing Committee for the REMAP-CAP Investigatorsは、国際的な適応的プラットフォーム試験REMAP-CAPから、世界8ヵ国のCOVID-19重症患者(n=1,557)に対するアスピリン・P2Y12阻害薬・抗血小板療法なしの各戦略(1:1:1)が、臓器サポート不要な生存日数に与える影響を評価した。
結論
抗血小板薬の無益性基準が満たされたため、試験登録は中止された。臓器サポート不要日数の中央値は抗血小板薬群、対照群とも中央値7日であった(オッズ比1.02; 無益性の事後確率95.7%)。一方で、生存退院率はそれぞれ71.5%、67.9%であった(オッズ比1.27; 有効性の事後確率97%)。重大な出血は、それぞれ2.1%、0.4%で発生した(オッズ2.97; 有害性の事後確率99.4%)。
評価
COVID-19重症患者では、治療用量ヘパリン療法が有効性を示せていないが、本試験の抗血小板療法も一次アウトカム有効性は認められなかった。ただし、生存退院率は抗血小板薬群で改善しており、さらなる調査が必要である。


