進行HER2乳がん二次治療でT-DXdとT-DM1を直接比較:DESTINY-Breast03試験
Trastuzumab Deruxtecan versus Trastuzumab Emtansine for Breast Cancer
背景
抗HER2療法後に進行したHER2陽性転移・再発乳がんに対してはトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)が推奨されているが、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)はどうか。
スペインInternational Breast Cancer CenterのCortesらは、トラスツズマブとタキサン系抗がん剤による治療歴のある転移乳がん患者を対象に、T-DXdとT-DM1の有効性・安全性を比較する第3相国際ランダム化比較試験DESTINY-Breast03を実施した(n=524)。
結論
12ヵ月無増悪生存率はT-DXd群で75.8%、T-DM1群で34.1%であった(ハザード比0.28)。12ヵ月生存率はそれぞれ94.1%、85.9%であった(0.55)。全奏効率は79.7%、34.2%であった。薬物関連有害事象はT-DXd群の98.1%、T-DM1群の86.6%で、グレード3・4の有害事象は各45.1%、39.8%で発生した。
評価
T-Dxdが、T-DM1を大きく上回る有効性を示した。このHER2陽性転移乳がんにおける新しい標準治療となるだろう。


