心停止後昏睡患者での律動性・周期性脳波パターンに抗てんかん治療は無益か:TELSTAR試験
Treating Rhythmic and Periodic EEG Patterns in Comatose Survivors of Cardiac Arrest
背景
心停止後昏睡患者の一部では電気生理学的発作を示唆する律動性・周期性の脳波パターンがみられ、予後不良の所見と考えられているが、抗てんかん薬による治療が予後を改善するかは不明である。オランダTechnical Medical CenterのRuijterらは、心停止後昏睡患者を対象に、標準治療に加えて持続的脳波モニタリングで検出された律動性・周期性の脳波パターンを、連続48時間以上抑制する抗てんかん治療群または標準治療のみ群へのランダム割り付けを行い、3ヵ月後の神経学的予後を比較した(n=172)。
結論
律動性・周期性の脳波パターンは心停止から中央値35時間で検出され、157名中98名(62%)ではミオクローヌスが認められた。律動性・周期性パターンの抑制は、抗てんかん治療群の56%、対照群の2%で達成された。3ヵ月時点での神経学的不良転帰(CPCスコア3-5)率は、抗てんかん治療群90%、対照群92%であり、死亡率はそれぞれ80%、82%であった。
評価
律動性・周期性の脳波パターンが治療の対象となりうるのかは重要な問題である。この試験では抗てんかん治療の効果は認められなかったが、試験規模は小さく結論的とは言えない。


