ホルモン感受性前立腺がんでダロルタミドが上乗せ利益示す:ARASENS試験
Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer
背景
転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)に対してはアンドロゲン遮断療法(およびアビラテロン・ドセタキセルなどの上乗せ)が標準治療と見なされているが、これにアンドロゲン受容体阻害薬を加えることは有効か。Massachusetts General Hospital Cancer CenterのSmithらは、mHSPC患者に対するアンドロゲン遮断療法+ドセタキセルに加えて、ダロルタミドまたはプラセボをランダムに割り付ける国際第3相試験ARASENSを実施した。
結論
初回解析には1,306名の患者が含まれ、うち86.1%が新規診断の転移性疾患であった。ダロルタミド群では、死亡リスクが32.5%低下した(ハザード比0.68)。事前指定されたサブグループ、および二次エンドポイントについても一貫したベネフィットが認められた。有害事象は両群同等であった。
評価
ダロルタミドを加えた新たな三剤療法がADT+ドセタキセルを上回る生存ベネフィットを示した。mHSPCに対する国際的な標準治療となるだろう。