院外心停止での声門上器具は気管チューブと差なし:台湾SAVE試験
Effect of Placement of a Supraglottic Airway Device vs Endotracheal Intubation on Return of Spontaneous Circulation in Adults With Out-of-Hospital Cardiac Arrest in Taipei, Taiwan: A Cluster Randomized Clinical Trial
背景
声門上器具は気道確保の器具として確立されているが、院外心停止(OHCA)において気管チューブに優る有効性があるのか?
台湾National Taiwan University HospitalのLeeらは、高度気道管理を受ける非外傷性OHCA成人患者を対象とし、4つの救急車チームを声門上器具または気管挿管のいずれかの介入に割り付けるクラスターランダム化比較試験SAVEを実施した(n=936)。
結論
初回気道確保成功率は気管挿管群で77%、声門上器具群で83%であった。持続的な自己心拍再開(ROSC)はそれぞれ26.9%、25.8%で認められた(オッズ比1.02)。このほか病院前ROSC、生存退院、CPCスコア2以下の各アウトカムについても各群有意差はなかった。
評価
2018年のPART試験は、72時間生存率でラリンジアル・チューブが優ることを示したが、同試験では気管チューブ群の初回成功率が約5割と低いという問題があった(http://doi.org/10.1001/jama.2018.7044)。本論文のSAVE試験では、一次アウトカムのROSC率、初回成功率を含めた二次アウトカムともデバイス間に差はなかった。