Lp(a)とBMIがともに90パーセンタイル以上なら大動脈弁石灰化疾患のリスクが3.5倍増
Lipoprotein(a) and Body Mass Compound the Risk of Calcific Aortic Valve Disease

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
February 2022
79
開始ページ
545

背景

血漿Lp(a)高値と高BMIが大動脈弁石灰化疾患(calcific aortic valve disease:CAVD)の駆動因であることが明かになっている。デンマークCopenhagen UniversityのNordestgaardらは、同国国民健康研究Copenhagen General Population Study(CGPS)登録者からの無作為化抽出69,988名のデータに基づき、高Lp(a)・高BMIとCAVDリスクの関連を検討した。

結論

Lp(a)・BMIが共に1〜49パーセンタイルの個人と比較して、CAVDのaHRは、両者50〜89パーセンタイルの個人(16%)で1.6、90〜100パーセンタイルの個人(1.1%)で3.5であった(相互作用のP=0.92)。CAVDの10年絶対リスクはLp(a)・BMI・年齢とともに増加し、女性より男性が高かった。BMIが30以上の70〜79歳の女性・男性では、10年絶対リスクはLp(a) ≦42mg/dL(88 nmol/L)で各5%・8%、42-79 mg/dL(89-169 nmol/L)で各7%・11%、Lp(a) ≧80mg/dL(170 nmol/L)で9%・14%であった。

評価

既知の関連を国民的データで定量化した。CAVD進行の薬理的防止の試みを加速する結果である。 

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)