免疫チェックポイント阻害薬の投与は夕方以降にすべきでない？：免疫療法と概日リズム
Effect of immunotherapy time-of-day infusion on overall survival among patients with advanced melanoma in the USA (MEMOIR): a propensity score-matched analysis of a single-centre, longitudinal study
背景
薬剤には、概日リズムに応じた至適な投与時刻が存在するという時間薬理学のコンセプトは、がん領域でも検討が行われている。Winship Cancer Institute of Emory UniversityのQianらは、イピリムマブ・ニボルマブ・ペムブロリズマブ、およびこれらを含む併用治療を受けたIV期悪性黒色腫患者の単施設縦断研究Melanoma Outcomes Following Immunotherapy（MEMOIR）において、16:30以降の投与の割合と全生存期間との関連を検討した（n=299）。
結論
16:30以降投与の割合が20%増加するごとにハザード比1.31で、全生存イベントが増加した。16:30以降の投与が20%以上で行われた患者と、それ以外の患者を傾向スコアによりマッチングすると、16:30以降の投与は全生存期間（中央値）の短縮と関連した（4.8年 vs. 未到達；ハザード比2.04）。
評価
日中の免疫チェックポイント阻害薬投与は、夕方以降の投与と比して良好な生存期間と関連した。女性でより顕著な関連がみられたことも含め、臨床試験によって検証されるべき知見であろう。
