再発卵巣低悪性度漿液性腺がんにトラメチニブが有効:GOG 281試験
Trametinib versus standard of care in patients with recurrent low-grade serous ovarian cancer (GOG 281/LOGS): an international, randomised, open-label, multicentre, phase 2/3 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
February 2022
399
開始ページ
541

背景

卵巣の低悪性度漿液性腺がんではMAPKシグナル経路が恒常的に活性化されており、MEK阻害薬の効果が期待されている。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGershensonらは、米英84施設のプラチナベース治療歴のある卵巣低悪性度漿液性腺がんを対象に、トラメチニブまたは5種類の標準治療のいずれかを割り付ける第2/3相ランダム化比較試験GOG 281/LOGSを実施した(n=260)。

結論

無増悪生存期間の中央値はトラメチニブ群で13.0ヵ月、標準治療群では7.2ヵ月であった(ハザード比0.48)。トラメチニブに関連するグレード3・4有害事象として、皮疹・貧血・高血圧・下痢・悪心・倦怠感が多くみられ、標準治療群では腹痛・悪心・貧血・嘔吐があった。治療関連死はなかった。

評価

低悪性度漿液性腺がんに対する現在の標準治療は効果が低いが、トラメチニブにより進行リスクが有意に低減された。新しい標準オプションとなりうる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)