再発卵巣低悪性度漿液性腺がんにトラメチニブが有効:GOG 281試験
Trametinib versus standard of care in patients with recurrent low-grade serous ovarian cancer (GOG 281/LOGS): an international, randomised, open-label, multicentre, phase 2/3 trial
背景
卵巣の低悪性度漿液性腺がんではMAPKシグナル経路が恒常的に活性化されており、MEK阻害薬の効果が期待されている。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGershensonらは、米英84施設のプラチナベース治療歴のある卵巣低悪性度漿液性腺がんを対象に、トラメチニブまたは5種類の標準治療のいずれかを割り付ける第2/3相ランダム化比較試験GOG 281/LOGSを実施した(n=260)。
結論
無増悪生存期間の中央値はトラメチニブ群で13.0ヵ月、標準治療群では7.2ヵ月であった(ハザード比0.48)。トラメチニブに関連するグレード3・4有害事象として、皮疹・貧血・高血圧・下痢・悪心・倦怠感が多くみられ、標準治療群では腹痛・悪心・貧血・嘔吐があった。治療関連死はなかった。
評価
低悪性度漿液性腺がんに対する現在の標準治療は効果が低いが、トラメチニブにより進行リスクが有意に低減された。新しい標準オプションとなりうる。


