進行食道がん初回治療でのニボルマブ療法、生存期間延長：CheckMate 648試験

Nivolumab Combination Therapy in Advanced Esophageal Squamous-Cell Carcinoma

原文を読む

背景

進行食道扁平上皮がんの初回治療では化学療法が行われるが、予後は不良である。日本Osaka University（大阪大学）のDokiらは、治療歴のない切除不能な進行・再発・転移食道扁平上皮がん患者を、ニボルマブ＋化学療法、ニボルマブ＋イピリムマブ、化学療法の3群に1:1:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験CheckMate 648を実施した（n=970）。

結論

PD-L1発現1%以上の患者の全生存期間は、化学療法単独群と比してニボルマブ＋化学療法群で有意に延長した（中央値15.4ヵ月 vs. 9.1ヵ月; ハザード比0.54）。患者全体でもニボルマブ＋化学療法群での有意な延長を認めた。また、ニボルマブ＋イピリムマブ群も、PD-L1発現1%以上、全患者の両集団において、全生存期間を有意に延長した。ただし、PD-L1発現1%以上の患者における無増悪生存期間の延長は、ニボルマブ＋化学療法群でのみ認められた。グレード3・4の治療関連有害事象率は、ニボルマブ＋化学療法群47%、ニボルマブ＋イピリムマブ群32%、化学療法単独群36%であった。

評価

化学療法またはイピリムマブとの併用双方でOSベネフィットが示された。KEYNOTE-590試験のペムブロリズマブとともに、新たな標準治療となるだろう。