RAS・TP53同時変異の進行大腸がんにWEE1阻害が有望か:FOCUS4-C試験
Inhibition of WEE1 Is Effective in TP53- and RAS-Mutant Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Trial (FOCUS4-C) Comparing Adavosertib (AZD1775) With Active Monitoring
背景
RAS遺伝子変異を有する進行大腸がんの予後は不良であるが、TP53変異腫瘍に対する抗腫瘍効果を示しているWEE1阻害薬adavosertib(AZD1775)はその治療選択肢となりうるか。イギリスUniversity of LeedsのSeligmannらは、TP53とRASの双方に変異が認められた遠隔転移を有する大腸がん患者に対し、adavosertibまたは積極的監視療法を2:1で割り付ける第2相ランダム化比較試験FOCUS4-Cを実施した(n=69)。
結論
無増悪生存期間の中央値は、adavosertib群で3.61ヵ月、積極的監視群で1.87ヵ月であった(ハザード比0.35)。全生存期間については改善を認めなかった(14.0ヵ月 vs. 12.8ヵ月)。事前に指定されたサブグループ解析では、左側腫瘍でadavosertibの活性が大きく(ハザード比0.24)、右側腫瘍では効果が認められなかった(1.02)。Adavosertibはよく忍容された。
評価
Adavosertibはよく忍容され、一次エンドポイントでのベネフィットが認められた。左側腫瘍でのみ効果がみられるという意外なサブグループ解析結果も含めて、第3相試験における検証に興味が持たれる。