RAS・TP53同時変異の進行大腸がんにWEE1阻害が有望か:FOCUS4-C試験
Inhibition of WEE1 Is Effective in TP53- and RAS-Mutant Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Trial (FOCUS4-C) Comparing Adavosertib (AZD1775) With Active Monitoring

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
November 2021
39
開始ページ
3705

背景

RAS遺伝子変異を有する進行大腸がんの予後は不良であるが、TP53変異腫瘍に対する抗腫瘍効果を示しているWEE1阻害薬adavosertib(AZD1775)はその治療選択肢となりうるか。イギリスUniversity of LeedsのSeligmannらは、TP53とRASの双方に変異が認められた遠隔転移を有する大腸がん患者に対し、adavosertibまたは積極的監視療法を2:1で割り付ける第2相ランダム化比較試験FOCUS4-Cを実施した(n=69)。

結論

無増悪生存期間の中央値は、adavosertib群で3.61ヵ月、積極的監視群で1.87ヵ月であった(ハザード比0.35)。全生存期間については改善を認めなかった(14.0ヵ月 vs. 12.8ヵ月)。事前に指定されたサブグループ解析では、左側腫瘍でadavosertibの活性が大きく(ハザード比0.24)、右側腫瘍では効果が認められなかった(1.02)。Adavosertibはよく忍容された。

評価

Adavosertibはよく忍容され、一次エンドポイントでのベネフィットが認められた。左側腫瘍でのみ効果がみられるという意外なサブグループ解析結果も含めて、第3相試験における検証に興味が持たれる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)