電子聴診器による心電測定で心不全をスクリーニングする
Point-of-care screening for heart failure with reduced ejection fraction using artificial intelligence during ECG-enabled stethoscope examination in London, UK: a prospective, observational, multicentre study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Digital Health
年月
January 2022
Online first
開始ページ
Online first

背景

左室駆出率(LVEF)の低下をタイムリーにスクリーニングすることができれば、心不全診断の遅れを減らし、患者予後の改善につながると考えられる。イギリスImperial College LondonのBachtigerらは、12誘導心電図を入力データとして訓練されたLVEF低下検出の畳み込みニューラルネットワークモデルAI-ECGを、集音と心電測定が同時に行える電子聴診器(Eko DUO)によるシングルリード入力を解釈できるよう再訓練し、経胸壁心エコーのために受診した患者(n=1,050)においてPOCスクリーニングツールとしての可能性を検証した。

結論

90%の患者はLVEFが40%以上、10%は40%以下であった。心臓聴診の肺動脈弁領域で得られた心電図が最もAI-ECG解釈に適しており(93.3%)、大動脈弁領域で最も品質が低かった(80.6%)。肺動脈弁領域でのAI-ECGは、LVEF低下についてAUROC 0.85、感度84.8%、特異度69.5%であった。肺動脈弁領域と両手親指(I誘導に相当)を組み合わせた場合、AUROCは0.85、感度82.7%、特異度79.9%となった。さらに探索的なロジスティック回帰モデルではAUROC 0.91、感度91.9%、特異度80.2%となった。

評価

心電測定可能な電子聴診器とAIを組み合わせることで精度良好なLVEF検出を可能とした。ポント・オブ・ケアのスクリーニングツールとして高いポテンシャルを秘めている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)