母親のホルモン避妊薬使用は子のCNS腫瘍リスクではない
Association Between Maternal Hormonal Contraception Use and Central Nervous System Tumors in Children
背景
小児での中枢神経系(CNS)腫瘍が増加しているというデータがあるが、母親のホルモン避妊薬はこのリスク増に関連があるのか。デンマークDanish Cancer Society Research CenterのHargreaveらは、1996年から2014年に同国で生まれた小児(n=1,185,063)をCNS腫瘍診断についてフォローアップした全国コホート研究を行い、母親のホルモン避妊との関連を検討した。
結論
15,335,990人年、平均12.9年のフォローアップで、725名の小児がCNS腫瘍の診断を受けた。10万人年あたりの調整罹患率は、ホルモン避妊薬を使用中の母親から生まれた児で5.0件(ハザード比0.95)、使用歴のある母親から生まれた児で4.5件(0.86)、使用歴のない母親から生まれた児では5.3件であった。レジメンや投与経路についても有意な関連はみられなかった。
評価
有病率が低く、サブグループ解析が十分に行われなかったという限界はあるものの、ひとまずは安心をもたらす貴重なビッグデータ解析である。


