母親のホルモン避妊薬使用は子のCNS腫瘍リスクではない
Association Between Maternal Hormonal Contraception Use and Central Nervous System Tumors in Children

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
January 2022
327
開始ページ
59

背景

小児での中枢神経系(CNS)腫瘍が増加しているというデータがあるが、母親のホルモン避妊薬はこのリスク増に関連があるのか。デンマークDanish Cancer Society Research CenterのHargreaveらは、1996年から2014年に同国で生まれた小児(n=1,185,063)をCNS腫瘍診断についてフォローアップした全国コホート研究を行い、母親のホルモン避妊との関連を検討した。

結論

15,335,990人年、平均12.9年のフォローアップで、725名の小児がCNS腫瘍の診断を受けた。10万人年あたりの調整罹患率は、ホルモン避妊薬を使用中の母親から生まれた児で5.0件(ハザード比0.95)、使用歴のある母親から生まれた児で4.5件(0.86)、使用歴のない母親から生まれた児では5.3件であった。レジメンや投与経路についても有意な関連はみられなかった。

評価

有病率が低く、サブグループ解析が十分に行われなかったという限界はあるものの、ひとまずは安心をもたらす貴重なビッグデータ解析である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)