がん患者でうつ病スクリーニングを実施する:ランダム化比較試験
Effect of a Community-Based Medical Oncology Depression Screening Program on Behavioral Health Referrals Among Patients With Breast Cancer: A Randomized Clinical Trial
背景
がん患者の多くが抑うつに苦しむが、がん診療の現場でうつ病・メンタルヘルスのスクリーニングを行うことは困難である。Kaiser Permanente Southern CaliforniaのHahnらは、南カリフォルニアの6医療機関を、スクリーニング(PHQ-9スコア)に関するプログラム教育のみの対照群、またはプログラム教育、調査、パフォーマンスデータと実装円滑化のフィードバック、各機関の実態に合わせた臨床ワークフローを提供する介入群へと割り付けるランダム化比較試験を実施した。1,436名の新規乳がん患者が参加し、フォローアップが行われた。
結論
スクリーニングに基づく行動医療サービスへの紹介は、介入群の7.9%で行われたのに対し、対照群では0.1%であった。介入群の患者は腫瘍科外来への受診が有意に減少した(率比0.86)。プライマリケア、urgent care、救急の利用に有意差はなかった。
評価
コミュニティ診療所でのテイラード戦略により、多くの患者でうつ病スクリーニングが行われ、メンタルヘルス医療への受診へとつながり、さらに腫瘍科の負担も軽減された。日常臨床へのうつ病スクリーニング実装に一つのモデルを提供する研究である。


