HER2陽性胃がんでの化学療法+PD-1・HER2阻害は有望:KEYNOTE-811試験の初回結果
The KEYNOTE-811 trial of dual PD-1 and HER2 blockade in HER2-positive gastric cancer
背景
HER2の異常は進行した胃がん・胃食道接合部がんの20%で認められ、これらの患者では抗HER2抗体トラスツズマブと化学療法の併用が標準的な一次治療となった。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのJanjigianらは、切除不能または遠隔転移を有する胃がん・胃食道接合部がん患者を対象に、トラスツズマブと化学療法に加えてペムブロリズマブ、またはプラセボによる治療を割り付ける第3相ランダム化比較試験KEYNOTE-811の初回中間解析結果(n=264)を公表した。
結論
客観的奏効率(中間解析での一次アウトカム)は、ペムブロリズマブ群で74.4%、プラセボ群で51.9%であった。完全奏効率はそれぞれ11.3%、3.1%であった。
評価
ペムブロリズマブはよく忍容され、客観的奏効率も改善した。この初期結果に基づき、トラスツズマブ・化学療法との併用がFDAの迅速承認を受けた。最終結果においても確認されれば、HER2陽性胃がんの治療にパラダイムシフトをもたらすだろう。