リンパ節転移乳がんでも21遺伝子アッセイは有用、閉経後では化学療法を回避可能:RxPONDER試験
21-Gene Assay to Inform Chemotherapy Benefit in Node-Positive Breast Cancer
背景
21遺伝子の検査に基づく乳がん再発スコア(オンコタイプDX)は、HR陽性・HER2陰性で腋窩リンパ節転移陰性の乳がん患者における化学療法有効性の予測に有用であることが示されている。Winship Cancer Institute at Emory UniversityのKalinskyらは、HR陽性・HER2陰性でリンパ節転移が1〜3個で、再発スコアが25以下の乳がん女性に、内分泌療法のみ、またはそれへの化学療法の追加を割り付けるランダム化比較試験RxPONDERを実施した(n=5,083)。
結論
33.2%が閉経前、66.8%が閉経後女性であった。事前指定中間解析において一次アウトカム効果が閉経前後で異なっていたため、指定に従い閉経前後を分けて解析が行われた。閉経後女性における5年無浸潤疾患生存率は、内分泌療法単独群では91.9%、化学内分泌療法群では91.3%と、化学療法のベネフィットは認められなかった(ハザード比1.02)。一方、閉経前女性では内分泌療法単独群では89.0%、化学内分泌療法群では93.9%と化学療法のベネフィットが認められた(0.60)。無遠隔再発生存率についても同様であった(0.58)。
評価
オンコタイプDXを用いて、一部の閉経後女性ではIDFSを損なうことなく補助化学療法を回避できることを示した。早期乳がんの治療にさらなる精密化をもたらす大きなステップである。