局所進行肺がん治療へのメトホルミン追加は無益:第2相NRG-LU001試験
Addition of Metformin to Concurrent Chemoradiation in Patients With Locally Advanced Non-Small Cell Lung Cancer: The NRG-LU001 Phase 2 Randomized Clinical Trial
背景
メトホルミンはさまざまな癌でのに対して抗癌作用が示唆されてきたが、標準的がん治療への追加に利益はあるのか。UPMC Hillman Cancer CenterのSkinnerらは、糖尿病を有さないステージIIIの切除不能非小細胞肺がん患者を対象に、化学放射線療法単独またはメトホルミン併用を比較する第2相ランダム化試験NRG-LU001を実施した(n=170)。
結論
1年無増悪生存率は対照群で60.4%、メトホルミン群では51.3%であった(ハザード比1.15)。1年生存率はそれぞれ80.2%、80.8%であった。1年・2年時点での局所領域再発・遠隔再発および有害事象についても群間の有意差は認められなかった。
評価
長らく抗癌作用の検証が行われてきたリポジショニング候補薬だが、この研究ではPFS・OSともに改善しなかった。併載されたもう一つの第2相試験、OCOG-ALMERA試験でもメトホルミン併用は治療効果の低下と関連しており(https://doi.org/10.1001/jamaoncol.2021.2328)、局所進行肺がんに対しては無益または有害である可能性が高い。