HER2陽性の転移性胆道がんにペルツズマブ+トラスツズマブ:MyPathway試験より
Pertuzumab and trastuzumab for HER2-positive, metastatic biliary tract cancer (MyPathway): a multicentre, open-label, phase 2a, multiple basket study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
September 2021
22
開始ページ
1290

背景

一次治療後に進行した転移性胆道がんに対して残されたオプションは少なく、分子標的治療への期待は大きい。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのJavleらは、標準的一次治療後の転移性固形がん患者を対象とした第2a相バスケット試験MyPathwayにおいて、HER2遺伝子増幅/HER2過剰発現の転移性胆道がん成人患者(n=39)にペルツズマブ+トラスツズマブを投与し、その有効性を報告した。

結論

39名のうち9名が部分奏効を達成した(客観的奏効率23%)。グレード3・4の治療下発現有害事象は46%で報告され、治療下発現の重篤有害事象は26%で報告された。治療関連有害事象はグレード3が最高で、8%で報告された。

評価

HER2陽性胆道がんのセカンドラインにおいてHER2の二重標的化が新たな治療選択肢となりうることを示した。ランダム化比較試験による検証に期待がかかる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)