切除可能肺がんへのアテゾリズマブ補助療法でDFS延長:IMpower010試験
Adjuvant atezolizumab after adjuvant chemotherapy in resected stage IB-IIIA non-small-cell lung cancer (IMpower010): a randomised, multicentre, open-label, phase 3 trial
背景
免疫チェックポイント阻害薬は非小細胞肺がん(NSCLC)の治療を大きく改善したが、周術期での使用はどうか。スペインVall d'Hebron University HospitalのFelipらは、22ヵ国227施設の完全切除後IB-IIIA期NSCLC患者を対象に、1-4サイクルの術後化学療法に続いてアテゾリズマブまたは最良の支持療法(BSC)を割り付ける第3相ランダム化比較試験IMpower010を実施した(n=1,005)。
結論
II-IIIA期かつPD-L1発現が1%以上の患者における無病生存率は、アテゾリズマブにより延長した(ハザード比0.66)。II-IIIAの患者全体でも改善が認められた(0.79)。ITT集団のDFSは0.81であった。アテゾリズマブによるグレード3・4の有害事象は11%で発生し、グレード5事象も4件(1%)発生した。
評価
PD-L1発現1%以上の集団で顕著なDFS改善が認められ、FDAの優先審査に付された。切除可能肺がんの周術期治療に免疫チェックポイント阻害薬オプションを新たに加えた。

