再発・難治多発性骨髄腫にBCMA/CD3二重特異性抗体teclistamabが登場:第1相MajesTEC-1試験
Teclistamab, a B-cell maturation antigen × CD3 bispecific antibody, in patients with relapsed or refractory multiple myeloma (MajesTEC-1): a multicentre, open-label, single-arm, phase 1 study
背景
B細胞成熟抗原(BCMA)は多発性骨髄腫(MM)における有望な治療標的と目されている。Levine Cancer Institute/Atrium HealthのUsmaniらは、BCMAとCD3に結合する二重特異性抗体teclistamabの安全性・忍容性および予備的有効性を評価するべく、再発・難治MM患者を対象とした第1相試験MajesTEC-1を実施した(n=157)。
結論
第2相試験推奨用量を特定する第1部では、40名が第2相試験推奨用量となる1500 μg/kg皮下投与を受けた。用量制限毒性は認められなかった。この用量で最も多く見られた治療下発現有害事象として、サイトカイン放出症候群が70%の患者で(すべてグレード2以下)、好中球減少症が65%の患者で(40%がグレード3・4)発生した。第2相試験推奨用量での全奏効率は65%であり、58%は部分奏功以上であった。奏効期間は中央値未到達であり、奏効した26名のうち22名(85%)は生存し治療継続中であった。
評価
BCMA陽性細胞へとT細胞を誘導する新たな二重特異性抗体で、有望な活性を示し、第2相試験へと進んだ。ファーストライン使用や他薬剤との併用も検証が予定されている。


