ファーマシューティカルケアで経口抗がん剤治療の安全性を高める:AMBORA試験
The Randomized AMBORA Trial: Impact of Pharmacological/Pharmaceutical Care on Medication Safety and Patient-Reported Outcomes During Treatment With New Oral Anticancer Agents
背景
近年多くの経口抗がん剤が登場し、がん患者の治療利便性を向上させているが、安全性とアドヒアランスには重要な課題が残る。ドイツErlangen UniversityのDurrら(AMBORA試験)は、11大学病院で新たに経口抗がん剤(2001年以降に承認された薬剤)による治療が開始されたがん患者を、12週間の標準治療または投薬管理や構造化カウンセリングを含む薬理学的・ファーマシューティカルケアをランダムに割り付け、抗がん剤に関連する問題(副作用・投薬ミス)と患者満足度に与える影響を評価した(n=202)。
結論
抗がん剤関連の問題は介入群で平均3.85件、対照群で5.81件と介入群で少なかった。患者の治療満足度(TSQM IIの利便性ドメイン)は介入群で高かった(91.6 vs. 74.4)。重度の副作用、治療中止、予定外入院、死亡からなる複合エンドポイントは、介入群で少なかった(ハザード比0.48)。
評価
経口抗がん剤は患者にとって便利だが、薬剤師の役割はより重要となる。この試験ではファーマシューティカル・ケアの強化により、経口抗がん剤に関わる副作用・医療ミスが有意に抑制された。