進行尿路上皮がんでのペムブロリズマブ、ファーストライン化学療法への上乗せ効果は示せず：KEYNOTE-361試験
Pembrolizumab alone or combined with chemotherapy versus chemotherapy as first-line therapy for advanced urothelial carcinoma (KEYNOTE-361): a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
ペムブロリズマブは、KEYNOTE-045試験において、進行尿路上皮がんの二次治療として化学療法を上回る有効性を示しているが、初回治療でのPD-1/PD-L1阻害薬の効果を示したランダム化試験はない。イギリスBarts Cancer InstituteのPowlesらは、世界21ヵ国の治療歴のない局所進行／切除不能／転移尿路上皮がん患者を対象に、ペムブロリズマブ単独、ペムブロリズマブ＋化学療法、化学療法単独を1:1:1でランダム割り付けする第3相ランダム化比較試験KEYNOTE-361を実施した（n=1,010）。
結論
フォローアップ期間中央値31.7ヵ月で、無増悪生存期間はペムブロリズマブ＋化学療法群で中央値8.3ヵ月、化学療法単独群で7.1ヵ月（ハザード比0.78）、全生存期間はそれぞれ17.0ヵ月、14.3ヵ月で（0.86）、いずれもp値境界に達しなかった。探索的解析では、全患者およびCPS 10以上患者のいずれについても全生存期間は同程度であった。
評価
KEYNOTE-045試験により二次治療での標準となったペムブロリズマブであるが、一次治療では有効性を示せなかった。膀胱がんでは現在、一次プラチナ化学療法後の維持療法に免疫チェックポイント阻害薬を用いるアプローチが登場し、アベルマブが結果を残している。
