再発・難治B-ALL小児へのCD19-CAR T細胞療法、移植した患者では長期生存
Long-Term Follow-Up of CD19-CAR T-Cell Therapy in Children and Young Adults With B-ALL

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
May 2021
39
開始ページ
1650

背景

CD19キメラ抗原受容体T細胞(CD19-CAR-T)療法は、再発・難治のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)を有する小児・若年成人患者において高い奏効率を示したが、その長期アウトカムは? National Cancer InstituteのShahらは、再発・難治B-ALL小児・若年成人患者に自家CD19.28ζ-CAR T細胞療法を行った第1相試験において、奏効率と長期的アウトカム、同種造血幹細胞移植(alloHSCT)との関連を評価した(n=50)。

結論

62.0%で完全寛解が達成され、うち90.3%はMRD陰性であった。フルダラビン・シクロホスファミドをベースとしたリンパ球除去療法を行った場合、フルダラビン・シクロホスファミドをベースとしないリンパ球除去と比して完全寛解率が向上した(29/42 vs. 2/8)。フォローアップ期間中央値4.8年で全生存期間の中央値は10.5ヵ月であった。MRD陰性の完全寛解を達成した患者28名のうち、21名(75.0%)がalloHSCTに進み、これらの患者の全生存期間は中央値70.2ヵ月であった。alloHSCT後の再発率は24ヵ月時点で9.5%で、5年無イベント生存率は61.9%であった。

評価

CD19-CAR-T細胞療法の最初期の治験(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(14)61403-3)からの長期結果報告である。CAR-T細胞療法に後続する幹細胞移植が、長期の疾患コントロールの鍵となることを明らかにした。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)