再発・難治B-ALL小児へのCD19-CAR T細胞療法、移植した患者では長期生存
Long-Term Follow-Up of CD19-CAR T-Cell Therapy in Children and Young Adults With B-ALL
背景
CD19キメラ抗原受容体T細胞(CD19-CAR-T)療法は、再発・難治のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)を有する小児・若年成人患者において高い奏効率を示したが、その長期アウトカムは? National Cancer InstituteのShahらは、再発・難治B-ALL小児・若年成人患者に自家CD19.28ζ-CAR T細胞療法を行った第1相試験において、奏効率と長期的アウトカム、同種造血幹細胞移植(alloHSCT)との関連を評価した(n=50)。
結論
62.0%で完全寛解が達成され、うち90.3%はMRD陰性であった。フルダラビン・シクロホスファミドをベースとしたリンパ球除去療法を行った場合、フルダラビン・シクロホスファミドをベースとしないリンパ球除去と比して完全寛解率が向上した(29/42 vs. 2/8)。フォローアップ期間中央値4.8年で全生存期間の中央値は10.5ヵ月であった。MRD陰性の完全寛解を達成した患者28名のうち、21名(75.0%)がalloHSCTに進み、これらの患者の全生存期間は中央値70.2ヵ月であった。alloHSCT後の再発率は24ヵ月時点で9.5%で、5年無イベント生存率は61.9%であった。
評価
CD19-CAR-T細胞療法の最初期の治験(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(14)61403-3)からの長期結果報告である。CAR-T細胞療法に後続する幹細胞移植が、長期の疾患コントロールの鍵となることを明らかにした。