再発・難治MMで新規CAR-T細胞療法ciltacabtagene autoleucelが奏効率97%:第1/2相CARTITUDE-1試験
Ciltacabtagene autoleucel, a B-cell maturation antigen-directed chimeric antigen receptor T-cell therapy in patients with relapsed or refractory multiple myeloma (CARTITUDE-1): a phase 1b/2 open-label study
背景
多発性骨髄腫の新薬開発では、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法が有望と考えられている。Sarah Cannon Research InstituteのBerdejaらは、3ライン以上またはプロテアソーム阻害薬・免疫調整剤に抵抗性で、プロテアソーム阻害剤・免疫調整剤・抗CD38抗体の投与を受けた多発性骨髄腫(MM)患者に対し、ciltacabtagene autoleucel(cilta-cel)の投与を行い安全性と臨床活性を評価する第1b/2相試験CARTITUDE-1を実施した(n=113)。
結論
97名が第1相で確認された推奨用量で投与を受けた(0.75×106 per kg)。前治療歴は中央値6ラインであった。全奏効率は97%であり、厳格な完全奏効は67%、最初の奏効までの期間は中央値1ヵ月であった。奏効持続期間は中央値未到達であり、無増悪生存期間についても同様であった。12ヵ月無増悪率は77%、生存率は89%であった。グレード3・4の血液学的有害事象として好中球減少症、貧血、白血球減少症、血小板減少症、リンパ球減少症が好発した。サイトカイン放出症候群(CRS)は97名中92名で発現したが、グレード5のCRS・血球貪食性リンパ組織球症を発症した1名を除いて消失した。治療関連有害事象による死亡は6名であった。
評価
多重既治療MM患者において非常に高率の奏効を示した。MMではさきにidecabtagene vicleucelが、最初のCAR-T細胞療法としてFDAの承認を受けており、Cilta-celはこれに続くことになりそうだ。

