再発多発性骨髄腫でKd療法にイサツキシマブを追加した新たな三剤療法登場:IKEMA試験
Isatuximab, carfilzomib, and dexamethasone in relapsed multiple myeloma (IKEMA): a multicentre, open-label, randomised phase 3 trial
背景
再発・難治性多発性骨髄腫(MM)に対しては、カルフィゾミブ+デキサメタゾン(Kd療法)にダラツムマブを追加する三剤療法が有効性を示しているが、もう一つの抗CD38抗体薬イサツキシマブではどうか。フランスUniversity Hospital Hotel-DieuのMoreauらは、1-3ラインの治療歴を有する再発・難治MM成人患者を、イサツキシマブ+Kd療法またはKd療法に3:2で割り付け無増悪生存期間を評価するランダム化比較試験IKEMAを実施した(n=302)。
結論
無増悪生存期間は、イサツキシマブ群では中央値未達、対照群では19.15ヵ月であった(ハザード比0.53)。グレード3以上の治療下発現有害事象(TEAEs)はイサツキシマブ群の77%、対照群の67%で、重篤TEAEsはそれぞれ59%、57%で、治療中止につながるTEAEsは8%、14%で発生した。致死的TEAEsはイサツキシマブ群の6名(3%)、対照群の4名(3%)で発生した。
評価
ICARIA-MM試験のイサツキシマブ+Pd療法、CANDOR試験のダラツムマブ+Kd療法に続いて有効性を示し、再発・難治MMでの三剤療法オプションに加わった。ダラツムマブかイサツキシマブか、が今後の議題となるだろう。

