男性のHR陽性乳がん患者での内分泌療法の有効性:第2相MALE試験
Efficacy of Endocrine Therapy for the Treatment of Breast Cancer in Men: Results from the MALE Phase 2 Randomized Clinical Trial
背景
男性の乳がんは全乳がんの1%ほどを占め、その治療は女性と同様に行われるが、エビデンスに基づくデータは稀少である。ドイツKliniken Essen-MitteのReinischらは、ホルモン受容体陽性乳がん患者を、タモキシフェン単独、タモキシフェン+GnRHアナログ、アロマターゼ阻害剤(AI)+GnRHaに割り付け、エストラジオール濃度の変化を評価する第2相多施設ランダム化比較試験MALEを実施した(n=56)。
結論
患者の年齢は中央値61.5歳であった。50名が一次エンドポイント評価可能であった。治療開始3ヵ月後のエストラジオール濃度の中央値は、タモキシフェン単独群で67%上昇、タモキシフェン+GnRHa群で85%低下、AI+GnRHa群では72%低下した。6ヵ月後ではそれぞれ41%上昇、61%低下、64%低下であった。性機能とQOLは、GnRHaを含む群で低下したが、タモキシフェン単独群では変化しなかった。
評価
この稀少疾患に、小規模とはいえRCTエビデンスがもたらされたことは意義深い。タモキシフェン・AIにGnRHaを併用することで、閉経前女性と同様にエストラジオールを大きく抑制できることが示され、高リスク患者では考慮される治療となろう。

