去勢抵抗性前立腺がんでのバイポーラ・アンドロゲン療法(BAT)が有望か
TRANSFORMER: A Randomized Phase II Study Comparing Bipolar Androgen Therapy Versus Enzalutamide in Asymptomatic Men With Castration-Resistant Metastatic Prostate Cancer
背景
バイポーラ・アンドロゲン療法(Bipolar Androgen Therapy)は、間欠的な投与によって高濃度と低濃度のテストステロン状態を交互に発生させることで、アンドロゲン遮断療法に対する抵抗性を逆転させるというアイデアである。Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns HopkinsのDenmeadeらは、去勢抵抗性前立腺がん患者において、BATとエンザルタミドを比較する(増悪時にクロスオーバーが認められる)第2相ランダム化比較試験TRANSFORMERを実施した(n=195)。
結論
無増悪生存期間は、両群とも中央値5.7ヵ月であった(ハザード比1.14)。PSA50率はBAT群で28.2%、エンザルタミド群で25.3%であった。クロスオーバー時のPSA50奏功は、BAT→エンザルタミドで77.8%、エンザルタミド→BATで23.4%であった。エンザルタミドでの無PSA増悪生存期間は、アビラテロン後の3.8ヵ月から、BAT後では10.9ヵ月に延長した。PFS2(治療開始からクロスオーバー治療での進行までの期間)は、BAT→エンザルタミド群で28.2ヵ月、エンザルタミド→BAT群で19.6ヵ月であった(ハザード比0.44)。全生存期間はBAT群32.9ヵ月、エンザルタミド群29.0ヵ月であった(0.95)。
評価
高濃度テストステロンにより腫瘍の低テストステロン状態への適応を破り、アンドロゲン遮断療法への感受性を回復させるというアイデアで、本研究のジョンズホプキンズ・チームはこのテーマを主導している。この第2相試験において、BATはエンザルタミドに匹敵する成績を示したが、それ以上にBAT→エンザルタミドの治療シークエンスが特に有望と考えられた。


