甲状腺がんのサブタイプ別罹患率、近年の増加は乳頭がんでのみ見られる:世界25ヵ国で調査
Thyroid cancer incidence trends by histology in 25 countries: a population-based study
背景
近年、甲状腺がんの罹患率は世界的に急上昇しているが、死亡率には変化がない。こうした変化は画像検査の普及と精度向上によるところが大きいとされ、過剰診断・過剰治療の問題として議論が行われている。フランスInternational Agency for Research on CancerのMiranda-Filhoらは、国際がん研究機関(IARC)によって収集された1998〜2012年の甲状腺がん罹患率データに基づき、世界25ヵ国87レジストリから200万人超のデータを選択し、主要組織学的サブタイプごとの罹患率の国際的トレンドを調査した。
結論
国ごとに大きなバラツキはあったものの、甲状腺乳頭がんは全ての国で甲状腺がんの主要なサブタイプであり、またすべての国で増加が見られた唯一のサブタイプであった。2008〜12年の、女性における乳頭がんの年齢調整罹患率は、オランダ・イギリス・デンマークで10万人あたり4.3〜5.3件であったのに対し、韓国では143.3件であった。男性では、タイで1.2件であったのに対し、韓国では30.7件であった。アジアの多くの国では、特に2000年以降、女性での乳頭がん増加が見られたが、アメリカやヨーロッパ諸国では2009年頃から安定化した。濾胞がん・髄様がんでは一貫した経時的トレンドは見られなかったが、未分化がんは25ヵ国中21ヵ国でわずかに減少した。
評価
1998〜2012年にかけての甲状腺がん罹患率の増加は、臨床的に発見されることの少ない乳頭がんでのみ観察された。スクリーニング戦略の強化がこの増加をもたらしたと考えられ、過剰診断の是非をめぐる議論に新たなエビデンスを加える研究となった。


