抗PD-1/PD-L1二次治療後の膀胱がん、enfortumab vedotinにより生存期間延長:EV-301試験
Enfortumab Vedotin in Previously Treated Advanced Urothelial Carcinoma
背景
抗PD-1/PD-L1阻害薬による二次治療後の進行尿路上皮がんに残されたオプションは少ないが、ネクチン-4標的抗体薬物複合体であるenfortumab vedotinが有望な活性を示している。Queen Mary University of LondonのPowlesらは、プラチナ化学療法歴を有しPD-1/PD-L1阻害薬による治療中・治療後に病勢進行をみた局所進行・転移尿路上皮がん患者に、enfortumab vedotinまたは主治医選択化学療法を割り付ける第3相国際ランダム化比較試験EV-301を実施した(n=608)。
結論
事前指定中間解析時点でのフォローアップ期間中央値11.1ヵ月であった。全生存期間はenfortumab vedotin群で12.88ヵ月、化学療法群で8.97ヵ月であった(ハザード比0.70)。無増悪生存期間はそれぞれ5.55ヵ月、3.71ヵ月とこちらもenfortumab vedotin群で優った(0.62)。治療関連有害事象の発生率は、enfortumab vedotin群93.9%、化学療法群91.8%、グレード3以上の有害事象発生率は51.4%、49.8%と、いずれも群間差はなかった。
評価
EV-201研究のコホート2では、化学療法不適格で抗PD-1/PD-L1阻害薬治療後の患者に対しても有望結果を示しており、本試験と合わせてFDAへの申請が行われた。予後不良の進行膀胱がんに新たなオプションが追加されることになるだろう。


