進行PD-L1高発現肺がんの初回治療にcemiplimab単剤療法：EMPOWER-Lung 1試験
Cemiplimab monotherapy for first-line treatment of advanced non-small-cell lung cancer with PD-L1 of at least 50%: a multicentre, open-label, global, phase 3, randomised, controlled trial
背景
PD-1阻害薬cemiplimabは、皮膚有棘細胞がんにおいて有効性を示しているが、肺がんにおいても有効性が報告された。トルコBaskent UniversityのSezerらは、世界24ヵ国の進行非小細胞肺がん患者を、cemiplimabまたはプラチナ二剤併用化学療法に割り付ける第3相ランダム化比較試験EMPOWER-Lung 1を実施した（n=710）。
結論
PD-L1発現50%以上の患者（n=563）における全生存期間は、cemiplimab群で中央値未達、化学療法群で14.2ヵ月であった（ハザード比0.57）。無増悪生存期間はそれぞれ中央値8.2ヵ月、5.7ヵ月であった（ハザード比0.54）。OS・PFSの有意な改善はITT集団においても確認された。グレード3・4の治療下発現有害事象は、cemiplimab群の28%、化学療法群の39%で発生した。
評価
PD-L1高発現NSCLCのファーストラインにおいて、化学療法群の3/4がクロスオーバーしたにもかかわらず高い有効性を示した。子宮頸がんでも第3相試験が進行中である（NCT03257267）。
