HR+・HER2-転移性乳がんに抗Trop-2抗体薬物複合体sacituzumab govitecan
Sacituzumab govitecan in previously treated hormone receptor-positive/HER2-negative metastatic breast cancer: final results from a phase I/II, single-arm, basket trial
背景
Sacituzumab govitecanは、抗Trop-2-SN-38抗体薬物複合体であり、転移を有するトリプルネガティブ乳がんのほか、尿路上皮がん・非小細胞肺がんでも有効性を示している。Columbia UniversityのKalinskyらは、治療歴を持つ各種の転移性上皮がん患者を対象としてsacituzumab govitecanを投与したバスケットデザインの第1/2相試験IMMU-132-01から、HR+・HER2-乳がん女性のサブグループについて報告した(n=54)。
結論
全員が2ライン以上の治療歴を有した。グレード3以上の重要な治療関連有害事象として好中球減少症(50.0%)、貧血(11.1%)、下痢(7.4%)があった。治療関連有害事象による治療中止が2名あり、治療関連死はなかった。フォローアップ期間中央値11.5ヵ月で、客観的奏効率は31.5%、奏効持続期間は中央値8.7ヵ月、無増悪生存期間は5.5ヵ月、全生存期間は12ヵ月であった。
評価
すでに3つの適応についてFDAの迅速承認を受けているが、治療抵抗性のHR+・HER2-転移性乳がんにおいても有望な活性を示した。これらの患者での治療オプションは限られており、期待は大きい。

